2019/10/17
コラム
不動産を相続する時に、必ずしも、その他の権利が付随していない、まっさらな状態の不動産を相続するとは限りません。
賃借権や地役権、そして今回のテーマの抵当権が設定されている不動産を相続することもあります。
そんなとき、相続した不動産について、どうするのが良いのでしょうか?
抵当権とは何なのか、それをどのように扱ったら良いのかについて解説します。
抵当権が最も身近な例としては、住宅ローンを借りるときが挙げられます。
住宅ローンは長期間の返済なので、その間にもし返済を受けられない状況になってしまうと、貸した側が多額の損害を受けてしまいます。
そうなった時に、購入した住宅を競売などで売却し、貸した債務に充当できる権利のことを、抵当権といいます。
抵当権は住宅ローンだけでなく、事業資金などお金の貸し借りの時にも設定されるので、相続した不動産についていることも、当然あります。
もし抵当権がついている不動産を相続してしまった場合、相続をした人が、借りているお金を返す必要があります。
不動産と一緒に債務も相続してしまった場合は、どうするのが良いのでしょうか。
もし、抵当権がついた不動産を相続してしまったら、その債務を返済する必要がありますが、完済した場合にも、抵当権がついたままのこともあります。
その場合は、法務局にて手続きをして、抵当権を抹消する必要がありますが、手っ取り早いのは、司法書士に手続きを代行してもらうことでしょう。
一方で、債務がすぐには完済できない、または全く完済する意思がない場合は、どうしたら良いでしょうか。
もしその不動産を売却して債務を完済できるのならば、使用しない不動産は、売却するのもひとつの方法です。
また、賃貸に出せるのならば、賃料収入を得ながら債務を少しずつ返済することもできるでしょう。
しかし、賃料収入も期待できない、売却しても債務を完済することができない、そんな不動産も中にはありますが、どうするのが良いでしょうか。
そんな時は、その相続の一切を放棄する、相続放棄という方法があります。
また、相続した財産の中で、返済できるものだけを相続する「限定承認」という方法もありますので、確認してみて下さい。
ちなみに相続放棄は、抵当権が抹消できないなどの状況を知ったときから3ヶ月が期限となっているので、気をつけましょう。