2019/09/11
コラム
不動産売却にあたって、路線価は評価を決めるための重要な指標の一つです。
でも、「路線価って何?」「見方や計算方法がわからない…」と不安に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、路線価と相続税の関係と、その見方についてフォーカスしていきます。
路線価とは、簡単にいうと贈与税や相続税を計算するときに活用される土地価格のことです。
毎年7~8月に、国税庁がその年の1月1日時点の主要な道路に面した1㎡あたりの価格を公表します。
特徴の一つとして、道路の調査地点数は約33万6000箇所となり、これは金融機関の担保評価や土地取引に活用される公示地価に比べて調査地点が圧倒的に多くなっています。
というのも、路線価は税金の支払いに利用されるものなので、不動産の価値をより正確に調べる必要があるからです。
路線価は公示地価の7~8割程になるよう計算されています。
仮に4,000万円の財産の場合、評価額は現金なら4,000万円ですが、不動産なら2,800~3,200万円となります。
不動産の取引は公示価格に基づいて行われるため、現金相続より不動産相続の方が節税になるといわれるのはそのためです。
ちなみに、路線価には“固定資産税路線価”と“相続税路線価”の2種類があります。
一般的に、“路線価”というのは、相続税路線価のことをいう場合が多いです。
路線価は、国税庁のHPから確認できます。
該当地をクリックすると路線価図をみることができますよ。
例えば、港区麻布十番1丁目なら「1750C」という記載がみられます。
これは、1㎡当たりの価格を千円単位であらわしたものです。
また、アルファベットは借地権(=貸手が土地を自由に使用できる権利)の割合が示されており、借地権割合はA~Gまであります。
つまり、港区麻布十番1丁目の相続税路線価は、175万円/㎡(借地権割合70%)だということがわかります。
さて、実際の土地の評価額の計算は、「路線価×面積=評価額」という“路線価方式”で算出することができます。
仮に、この道路に接する100㎡の土地があった場合、
175万円×100㎡=1億7,500万円
という評価額になるということです。
ただし、他人に貸している場合などは簡単に立ち退きなどができないため、その分価値が下がります。
この計算に用いられるのが、先ほどご紹介した借地権割合です。
また、路線価方式は正方形や長方形の土地を前提としていますので、変わった形の土地や道路への隣接の程度などでも調整の必要がでてきます。
この場合は調整が行われ、一定の割合で減額されることが多いです。
路線価についての知識があれば、概算で計算することもでき、いざというときに役立ちます。
さまざまな調整計算もありますので、相続した土地について詳しく知っておくことも大切です。
事前に自分でも調べておくことで査定の判断基準にもなりますね。
今回ご紹介した見方や計算方法を参考に、売却時に慌てることのないようしっかり準備しておきましょう。