2020/05/27
コラム
亡くなった身内の遺産を相続するか放棄するか、なかなか決められないという悩みは珍しいことではありません。
相続放棄をするには、相続を知った日から3か月以内に手続きをする必要がありますが、それまでに相続を放棄するかどうか判断できない場合も多いです。
今回は、相続放棄の期限延長が認められるケースや具体的な申し立ての方法について解説します。
相続放棄の手続きは、相続が発生してから3か月以内におこなうのが基本です。
しかし、以下に当てはまる場合は相続放棄の手続きの延長が認められる可能性があります。
遺産を相続するか放棄するかを判断するためには、まず相続する財産がいくらあるかを調べる必要があります。
借金があり借り入れ先がいくつもある場合やあまり地縁がない遠方の不動産などが遺産に含まれている場合などは、相続財産をスムーズに把握できず延長が認められる可能性が高いです。
相続人調査で思わぬ相続人がいることがわかったり、故人と相続人との関係が疎遠だったりすることもあります。
また、複数いる相続人のなかに連絡がとれない人がいて遺産分割の話し合いがなかなか進まないケースもあります。
相続人の所在を確認するのに時間がかかる場合も、延長の手続きが可能です。
故人と疎遠であった場合などは、相続発生後3ヶ月以上経ってから自分が相続人となっていることを知るケースもあり得ます。
また、故人が亡くなってかなり時間が経ってから新しい遺言書が見つかることもあります。
そうなると、ある日突然マイナスの遺産相続を知って慌てる人もいることでしょう。
その場合も期限を延ばすことができ、相続を知った日から3ヶ月後に改めて期限が設定されます。
相続放棄の期限を延長するには、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
相続放棄の期限延長を希望する場合は、故人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に「期間伸長の申し立て書」を提出します。
その場合は故人の戸籍謄本および住民票の除票、そして申し立てをおこなう人の戸籍謄本など、通常の相続放棄手続きと同じ書類が必要です。
なお、期限延長の申し立て(裁判所への書類提出)は相続のことを知った日から3ヵ月以内におこなう必要があります。
相続人が複数いる場合は申し立てが認められた人だけが期限を延ばすことができ、1人の申し立てがすべての相続人に有効となるわけではないことに注意しましょう。
故人との関係が遠い場合や故人が引っ越しなどで何度も転籍を繰り返している場合などは書類準備に時間がかかることもあるので、期限を延ばすからといって油断せず早めに着手しましょう。
相続の手続きは、原則として近しい身内が亡くなったあとのわずか3ヶ月で進めていかなければなりません。
やむを得ない理由があると認められれば相続放棄の期限を延ばすことも可能ですが、その場合は家庭裁判所への申し立てが必要です。
相続が発生したときに慌てないよう今回の記事の内容を頭に入れておき、必要に応じて弁護士や司法書士といった遺産相続のプロに相談しましょう。
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