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空き家対策特別措置法とは?施行によりどのような効果がある?

2020/02/28

コラム

地方や郊外に限らず、都心部でも空き家問題が深刻化しています。

住宅の供給過剰や、少子高齢化により相続されない・管理されない物件が増えていることが、空き家増加のおもな理由です。

 

その対策として施行された「空き家対策特別措置法」とはどんな制度なのか解説します。

空き家対策特別措置法とは:施行前の問題点

空き家対策特別措置法とは、全国に拡大する空き家の実態を把握するとともに、適切な管理・利用を促進するための法律です。

なかでも特定空き家に指定されている放置家屋に対しては、行政代執行も含めた措置を取ることができます。

 

<特定空き家の問題点>

特定空き家とは、放置家屋など危険の高い建物のことです。

空き家が長く放置されると、老朽化により倒壊するといった問題点があります。

そればかりか放火や不法侵入など犯罪の温床になれば、近隣住民に被害をおよぼすリスクも高まります。

 

空き家対策特別措置法とは、そのような問題点のある放置家屋に対して行政対応を実施するためのガイドラインも示しているものです。

空き家対策特別措置法とは:施行による効果

空き家対策特別措置法が施行されたことで、空き家の戸数は減少しつつあります。

全国では全体の全市区町村の約半数が、空き家対策特別措置法に基づいた計画を策定しています。

空き家の所有者が行政からの指導・勧告に従わない場合は、行政代執行を実施するなど厳格な運用をしています。

 

行政代執行とは所有者に代わって行政が空き家の状況改善(ゴミの撤去や家屋の解体)を実施し、かかった費用は所有者に請求する制度です。

行政代執行にかかる費用の請求は税金滞納と同等の扱いになるため、支払いに応じないと財産差し押さえにより強制徴収されます。

このように非常に強力な法律ですから、施行以来空き家の減少に効果を上げています。

 

<空き家の土地活用が進んでいる>

空き家対策特別措置法の施行によって、すでに都内でもさまざまな対策が進んでいます。

たとえば所有者が不在もしくは戻る見込みがない空き家について、不在者財産管理人制度を利用して家屋を解体しました。

その後の土地は隣家の住民が買い取り(建物の解体費も負担)したため、行政が空き家処分に関する費用を負担することはありませんでした。

 

また木造住宅の耐震化工事への助成要件を緩和し賃貸市場への流通を促進したり、シェアハウスへの転用をしやすくするなど、建物をそのまま活かす取り組みにも効果があります。


まとめ

空き家対策特別措置法とは、何かについて解説しました。

放置家屋の増加を抑制する効果はありますが、施行後もまだまだ問題点は残されています。

所有する物件が空き家状態になってしまったときは、各種制度を活用して早めに対処しましょう。

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