2020/01/06
コラム
遺産相続には債務や管理の難しい空き家なども含まれるので、プラスの遺産ばかりとは限りません。
不動産相続をするべきなのか放棄すべきなのかを決断するには、どのようなポイントに注意するべきなのでしょうか。
今回は不動産相続を放棄するポイントやメリット・デメリット、相続放棄の手続き方法や費用について解説します。
不動産相続を放棄する場合の、メリット・デメリットについて解説します。
まず「相続放棄」とはその言葉通り遺産相続を放棄することで、原則として被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行うことで認められます。
相続放棄をすることで、借金や不要な不動産などの負の遺産を引き継がなくて済むことになるのが一番のポイントです。
住む予定のない家や遠方の実家など、管理も売るのも難しい場合は不動産相続の放棄を検討される方も多いでしょう。
また、不動産は平等に分割するのが難しくトラブルの元になりやすいので、相続を放棄すれば遺産分割手続きに関わらずに済むというメリットもあります。
受け継ぐ遺産があまりない場合にも、複雑な手続きや親族とのトラブルを避けたくて相続放棄を選択するケースがあります。
一方で最大のデメリットとして、不動産の他に現金や預貯金など自分にとってプラスの遺産があった場合でも、一度相続を放棄するとすべての遺産を引き継ぐ権利を失うという点が挙げられます。
そのため、相続対象の遺産はプラスの遺産とマイナスの遺産どちらが多いのかが、相続放棄を選択するポイントになるでしょう。
不動産相続の放棄は、相続が発生してから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てしなければ手続きすることができません。
なお、相続放棄の期限は相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月となっていますが、通常は死亡日時から3ヶ月と考えておくと良いでしょう。
3ヶ月以内に財産調査を行い、手続きに必要な書類を揃えます。
手続きに必要なのは、相続放棄申述書、被相続人との関係を示す書類、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本などです。
また、自分で行う場合にかかる費用は、申述書に貼付する収入印紙800円、連絡用の郵便切手、戸籍謄本などの代金なので合わせても数千円程度です。
司法書士に依頼する場合は約3万円、弁護士に依頼する場合は5~10万円程度の費用がかかります。
相続放棄をするかを決めるには、相続予定のプラスの資産を手放してまでも放棄を選択するメリットがあるのかを見極めることがポイントです。
メリット・デメリットをよく考えたうえで、決断しましょう。
また、トラブルの元になりやすい不動産の相続に関しては、被相続人が元気なうちに親族同士で話し合っておくことも重要です。