2019/12/18
コラム
亡くなった方の財産は、遺言書があればそのとおり分配されます。
しかし両親・祖父母が亡くなっており兄弟もいない一人っ子の場合、相続人がいないケースも珍しくありません。
そんな一人っ子のケースにおける、相続準備についてご紹介します。
相続人がいない一人っ子の遺産は、相続財産管理人によって適性に処分されます。
この相続財産管理人は利害関係がある人などの申し立てにより、家庭裁判所が決定します。
相続財産管理人は生前の借金があれば債権者へ返済をし、本当に相続人がいないのか調査もします。
債権者も相続人もいないことが確認されると、残された財産はすべて国に帰属することとなります。
<実は相続人がいるケースもある>
本人は一人っ子だと思っていても、実は兄弟が存在するケースが稀にあります。
そして過去に一度でも婚姻したことがあると、離婚のタイミングによっては戸籍上の子が存在する場合もあります。
一度も自分の戸籍を確認したことがなければ、本当に相続人がいないのか念のため戸籍調査しておきましょう。
近年は事実婚などにより、内縁関係にあるカップルが増えています。
しかし事実婚のパートナーには、遺産を相続する権利も遺留分もありません。
そのような場合は、特別縁故者に選ばれることで財産を譲り受けることが可能になります。
内縁関係であれば、特別縁故者になれる可能性は高いです。
<公正証書遺言の作成がおすすめ>
特別縁故者が遺産を相続できるのは、債権の清算が済み戸籍上の相続人がいない場合です。
さらに残った遺産のすべてを相続できるわけではなく、特別縁故者の取り分は裁判所が判断します。
また相続財産管理人の専任からすべての手続きが終わるまでに、1年半から2年近くの時間を要する場合もあります。
したがって戸籍上の親族ではないものの、内縁関係や生前お世話になった方に財産を残したい場合は、公正証書遺言の作成がおすすめです。
さらに遺言執行者をパートナーに指定しておけば、相続にかかる手続きはパートナーが単独で進めることができます。
例えばマイホームの不動産登記などは、遺言執行者を指定しておくと手続きがスムーズです。
なお公正証書遺言は、親兄弟が存命だが子どもがいない夫婦にも有効な手段です。