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相続税の按分割合とは?端数についても解説

2021/01/15

コラム

相続税の算出には「按分(あんぶん)割合」という聞き慣れない数値を使いますが、按分割合に応じて相続税の額面が変化する例もあるため、押さえておきたい知識です。

 

この記事では、不動産の相続を控えている方向けに、不動産相続税の按分割合とは何か、按分割合の端数や割り切れないパターンではどうするかを解説します。

相続税の按分割合とは? 「だれがいくら支払うか」の割合

相続税の「按分割合」とは、相続人が支払う相続税の合計額において「だれがいくら支払うか」の割合を表したものです。

相続税を計算する上では、まず相続税の合計額を算出し、それから実際に財産を受け取った割合で、各自の負担額を算出します。

 

たとえば、長女が6割・次女が4割の財産を受け取っていて、相続税の合計額が3,500万円のパターンでは、次のようになります。

 

按分割合 0.6:0.4

負担額 長女:3,500万円×0.6=2,100万円

次女:3,500万円×0.4=1,400万円

 

 

相続税における按分割合は、現実に財産を受け取った割合となるので、理解しやすい概念です。

相続税の按分割合とは? 端数や割り切れないパターン

相続税の按分割合が割り切れない数字になる場合にはどうするのでしょうか。

この場合には、相続人全員の合意のもとで、按分割合の端数になる小数点の調整をおこないます。

 

たとえば、小数点第2位で按分割合を算出するパターンでは、相続人のなかで小数点第3位が高い人から按分割合を切り上げ、全員の按分割合を足したら1になるように調整していくのです。

しかしこの方法では、小数点第3位以下の相続税額が、切り上げを受けた人の負担となり、その他の人は得をするなどの不公平が生じてしまいます。

 

相続税が少額の場合はそれほど問題になりませんが、相続税が何億円にもなるパターンでは、小数点第3位であっても数百万円単位で金額が変化することがあります。

少額であれば多少の負担の差異を納得できたとしても、金額が大きくなるとそうはいきませんよね。

 

そのため、相続税の申告書に記載欄のある、小数点第10位まで算出し、小数点第11位の切り下げを行う方法のほうが、不公平感を抑えられるのでおすすめといえます。

 

まとめ

相続税の按分割合とは、相続税の合計額において、だれがいくら支払うかの割合であり、財産を実際に相続した割合で各自が相続税を負担します。

 

按分割合が割り切れない数字のために端数が出るときには端数処理をおこないますが、小数点以下の桁を限界まで細かく算出すると不公平感が出ないことを押さえておきましょう。

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