2020/10/14
コラム
不動産をはじめとした相続人が未成年のケースでは、いくつかの注意点がでてきます。
通常の相続ですら手続きは煩雑ですが、成人していない子どもが加わるとさらに異なる手続きが増加します。
そこで今回は、スムーズな遺産分割協議のために、未成年の相続の概要や注意点について解説していこうと思います。
不動産をはじめとした相続人が未成年の子どもなら、特別代理人を立てなければ原則的に手続きができません。
その理由は、未成年者が法律に関する契約をする際、親権者の同意が必要であると法律で定まっているからです。
しかし、親も相続人となる遺産分割協議では、親子で利益が対立するので、親は代理人となれず特別代理人が必要です。
親子の利益相反は、たとえば法定相続人が母と子だけの場合、母の相続配分が増えて子の配分が減るなどが理由となっています。
代理人の親による子の不利益を防ぐために、特別代理人を選出する必要があるのです。
特別代理人は、成人していて相続に関係ない人でしたら誰でも選出できますが、親戚を指定すると、どこかで不公平がでる可能性はぬぐえません。
相続において、親戚などの身内間はトラブルになると大きく発展する場合があります。
適する親族がいなければ、弁護士や司法書士など、専門家を選出すると安心でしょう。
専門家への依頼は、未成年の不利益を防ぐだけでなく、遺産分割協議を円滑に進めるメリットもありますよ。
不動産をはじめとした、相続人が未成年の場合における注意点を2つご紹介します。
▼代理人は裁判所が選ぶのではない
特別代理人の選出は裁判所がするのではなく、候補者がふさわしいかを家庭裁判所で判断してもらいます。
▼遺産分割協議してから特別代理人を選任
遺産分割協議の内容が、未成年者にとって適していると裁判所が判断した後に、特別代理人として選出されます。
▼法定相続分をきちんと与える協議内容が理想
遺産分割協議の内容が子に不利益であれば、裁判所が協議を認めないケースもあります。
家族構成に合わせた法定相続分を、子が引き継げるような協議が大切です。
また、子どもの養育資金の確保など、理由をきちんと明記すれば、法定相続分でなくても、裁判所が認めてくれるケースもありますよ。
不動産などの相続人が未成年者の場合、原則として代理人を必要とします。
代理人を選出せずに遺産分割協議をすると、子どもが成人したのちに、遺産分割のやり直しになるという注意点も意識しておきましょう。
相続は専門性の高い内容となるので、慣れないのであれば、専門家へアドバイスを求めるのがおすすめですよ!