2021/04/14
コラム
相続した不動産を賃貸などで活用するなら、減価償却について知っておきましょう。
日常的には馴染みが薄いですが、賃貸経営で大切な言葉になります。
減価償却とは何かについて解説しますので、その意味と計算方法をチェックしておきましょう。
相続による不動産活用で知っておきたい減価償却とは、使用期間に応じて減少した価値の経費化です。
「減価償却する=経費化する」と覚えておくとわかりやすいかもしれません。
時間の経過とともに建物の価値が落ちることを減価といい、減価した価値を経費として計上することを償却といいます。
経費化できるのは長期に渡って使用する固定資産で、取得したときに全額を経費として計上せずに、資産を使用可能な期間で少しずつ分けて経費にします。
一括で計上してしまうと、経営初年度は大赤字ですが、2年目からは急に利益がでる振れ幅の大きい経営になってしまいます。
決算に幅がありすぎると経営の評価をしづらく、納税額も定まりません。
このような背景から、減価償却で均一的な経営評価と安定的な納税を推進しています。
また、融資の面からみても、合理的に建物の価値を判断しやすくなる利点があります。
初年度に全額を経費で計上すると、1年で建物の価値が0円になってしまうおかしな状態になるからです。
キャッシュの回収と運用計画に合わせることで、経営に安定性がでるメリットもあります。
相続した不動産を活用するなら、減価償却の具体的な計算方法をチェックしておくと安心です。
計算方法には以下の2種類があります。
▼定額法
耐用年数の間、一定額を毎年減価償却していく方法です。
耐用年数10年の固定資産を150万円で購入すると、経費として10年間毎年計上できる金額は15万円です。
▼定率法
固定資産の状況によって決められている償却率を掛けて、毎年少しずつ償却する方法です。
耐用年数10年の固定資産を150万円で購入して、0.4が償却率だと、初年度の減価償却費は60万円になり90万円が残ります。
2年目は90万円に規定の償却率を掛けて計算し、以降、残高に対して同じように算出した数値で償却していきます。
減価償却の仕組みを知ると効果的に節税できるので、不動産経営をするならまずは押さえておきたい項目です。
固定資産の種類によって、定額法と定率法の2種類の算出方法があると覚えておきましょう。
取得原価や残存価額もポイントになるので、合わせて調べておくとよいでしょう。