2021/05/17
コラム
土地などの不動産の相続放棄について理解を深め、のちのトラブルを軽減できるようにしましょう。
管理や活用しにくい実家を引き継ぐ可能性が高ければ、手続きを視野にいれられるかもしれませんね。
不動産の相続放棄をできるのか、注意点は何かについてみて行きましょう。
土地などの不動産の相続放棄は、期限内に家庭裁判所へ申請をすませればできます。
期限は以下の日から3ヶ月以内です。
・所有者が亡くなった日
・相続を知った日
借金などで負の遺産が多い場合に選択されるケースが多いのですが、受け取りたくない不動産なども、裁判所への申立てさえ通れば認められます。
実家に住む予定がなく、売却もできそうになければ、所有しても負担がかかるだけです。
相続しなければ固定資産税の支払い義務がなくなるので、不必要な出費を抑えられるでしょう。
ただし、期限の3ヶ月を過ぎてしまったり、遺産の一部を使ったりしてしまうと手続きができなくなります。
遺品や現金などの動産を勝手に売却したり使ったりすると相続放棄できなくなるので気をつけてくださいね。
手続きをすると不動産以外の財産も引き継げなくなる点も、併せて理解しておきましょう。
また、預貯金などの現金だけを相続するという選択は、相続人同士で遺産分割協議で合意にいたれば可能ですが、相続放棄するのであればできません。
土地などの不動産相続放棄の注意点は、手続き後も管理義務が残ってしまうことです。
固定資産税の支払いはなくなりますが、次の管理者が決まるまで不動産の管理はしなければならず、放棄した次の受取順位の人が管理義務を課せられます。
家族や親戚の中の誰かが順にその責任を負う必要がでてくるのですが、全員が財産の受取を拒否すると、管理者がいなくなってしまいます。
そのようなケースでは、家庭裁判所へ相続財産管理人の申立てをして、不動産を引き継いで処理してもらう必要がでてきます。
もちろん申立てには時間と手間がかかり、そのコストは数十万円以上かかるようです。
不動産は簡単に手放せる財産ではないので、必要なければ放棄すればいいと安易に考えるのはおすすめしません。
不動産の相続放棄は家庭裁判所が認めればできるのですが、管理義務に注意しなくてはいけません。
次の管理者が決まるまで管理義務は残り、家のメンテナンスや管理責任を負う必要があります。
専門性の高い分野になるので、いざというときのためにプロへ相談しておくなどの事前対策をしておきましょう。