2021/10/28
コラム
多様な生き方が広がり、それに伴って生涯未婚率も高くなっている近年。
生涯をとおして独身の方の遺産は、だれが相続するのか気になりますよね。
もちろん自分自身が生涯独身の方も、大切な財産を誰に遺すかは、気になるところ。
今回はそんな疑問に応えるべく、独身者の相続について解説します。
遺産は、法定相続人が相続することになっています。
だれが法定相続人に当たるかというと、まず配偶者が必ず相続人となり、配偶者がいない場合は被相続人との続柄によって以下の順位で相続人となります。
●第一順位/子
●第二順位/両親
●第三順位/兄弟姉妹
従って、配偶者がおらず子どももいないことが多い生涯独身者の遺産は、両親または兄弟姉妹が相続することになります。
両親や兄弟姉妹がすでに他界している場合は、兄弟姉妹の子どもである姪や甥が代襲相続することとなります。
それでは一人っ子の生涯独身者で、両親も兄弟姉妹も、もちろん姪や甥もいない人の場合はどうなるか見てみましょう。
法定相続人となる人がいない一人っ子の独身者の場合、以下のような方法で任意の人に遺産を渡すことができます。
遺産を渡したい人と養子縁組を結び、法律上の親子関係を認めてもらうことで法定相続人とする方法です。
大切な財産を任意の団体などに寄付したり、血縁のない友人・知人に渡したりしたい場合は、遺言書をつくることで遺贈することができます。
被相続人が上記の手続きをしておらず、一定の期間相続人が現れなかった場合は、家庭裁判所が認める「特別縁故者」が相続することに。
特別縁故者と認められるケースとしては、以下のような場合があります。
●療養看護をしていた人
●内縁関係にあった人
●親代わりなど特別な関わりのあった人
特別縁故者は、家庭裁判所へ申し立てを行って財産管理人が選出された後、一定期間、法定相続人が現れない場合にのみ認めら、財産分与請求をすることが可能です。
自らが生涯未婚となりそうな方はもちろん、自分の子どもが独身者の方や兄弟姉妹に独身者がいる方も、ぜひ知っておきたい遺産相続のしくみ。
これからますます増えそうな生涯独身者を見送る方も、これから終活をはじめる生涯独身の方も。
だれが遺産を相続するのか、だれに遺産を渡せるのか、明確に知っておくことはとても大切なことですね